マイナーな節句(重陽)からのキセワタ
旧暦の節句は五つあります。
7月までは、認知度は高いと思います。
さて、9月9日の重陽の節句は、華道や茶道を嗜んだりすると、触れることがあると思いますが、一般的には、ほぼ節句として、認識されていないですよね。
私も、華道(池坊)を習っていなければ知らなかったと思います。
陰陽思想では、奇数が陽であるため、陽の数で一番大きい数の9が重なる日なので「重陽」となり、重なりすぎると不吉とか、またそれを吉祥という考え方に転じるとか、いろいろとあるようですが、何しろ、祝い事の日になったようです。
旧暦の節句の邪気払いは、植物に清めてもらうのが慣わしのようです。
重陽の節句では、邪気払いをし、長寿とアンチエイジングを願って、前日の夜に「被せ綿」(キセワタ)と言い、菊の花に綿をのせ、夜露と菊の香りを染み込ませ、その綿で身体を拭ったり、菊の花びらをお酒に浮かべて飲んだり、菊の花を生けたり(これは華道では風習が残っています)などしたそうです。
他の節句はまだまだ知名度もあるし、実施されていますが、重陽はやらないですよね。
バレンタインデーやら今や仮装パーティーと化しているハロウィンよりも、日本の節句なんですが、経済効果も期待できそうにないし、廃れてしまったのかな?
旧暦だった、平安時代とかに始まったようだし。
和菓子屋さんでは、9月になると「被せ綿」を模したねりきりが作られるようです。
菊の節句のお茶会に使われるのでしょうか?
その「被せ綿」(キセワタ)から名前をもらった花があります。
この花の花冠の上部に細かい白い毛が密生しているのですが、それを、花に被せる綿に見立てて名前がついたようです。
下についている花弁は色が虫の目に止まるように濃い色になっていますが、その色と比較して、上部の花弁は白く清らかな邪気を払う綿に見える?
花の名前は、見ようと思えば見えるかな?と言う感じのものに例えているのが多いです。
サギソウは、サギが羽ばたいているように見えるからわかりやすいですけれど。
キセワタは、説明が長かったわりに、なるほど〜ってならなくて、ちょっと残念。
しかも、マイナーな、と言うよりほぼすたれてしまった節句だし…
風雨の物凄い音響で寝られないです。
菊にキセワタどころではありませぬ。