SSAWWAVES’s blog

東京都在住。旅行の事。山登りで見た植物の事を書きます。

フウロソウにも種類がいろいろ…

夏休みを利用して登ってきた、南アルプス北岳と富士山のすそ野に位置する杓子山で咲いていた、フウロソウの仲間についてまとめてみました。

二つの山は標高も地質も違いますから植生環境が異なり、咲いていたフウロソウの種類が違いました。

フウロソウとは

フウロソウ科フウロソウ属の花で、

学名はGeranium ギリシャ語で鶴(Geranos)の事だそうで、果実が、長い鶴のくちばしのようだからだそうです。花弁は5枚。

フウロソウ属は約430種で、日本には10数属が自生しています。

日本では、低地から高山帯にかけて分布していて、花期は、夏季から初秋にかけて。

まさに今です。

ゲラニウムと言う名前でかわいらしい紫色の園芸品種もこの仲間です。


タカネグンナイフウロ  (北岳)


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Geranium eriostemon ver reinii form onoei

グンナイフウロが母種で、高山に植生し、グンナイフウロより濃い青紫色です。

北岳では草スベリに咲いていました。 

 

ハクサンフウロ北岳

 

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Geranium yesoemse var.nipponicum

中部以北と滋賀の高山に植生しています。中央アルプスでもよくみますし、私個人としては、雪渓の残る周辺に多いというイメージです。

学名の yesoense は「北海道の」nipponium は「日本の」と言う意味で、ハクサンフウロの母種は、エゾフウロです。

花弁には、細くて淡いピンクのラインが入っています。

タカネグンナイフウロよりも標高の高い所に咲いていました。

 

タチフウロ (杓子山) 

 

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Geranium krameri

これは、私的には、草原や里のフウロソウと言う位置付けです。

東北や中部、四国、九州にも分布していて、花弁の色は薄い紅紫色、濃いピンクのはっきりしたラインが入っています。

グンナイフウロはうつむきかげんに咲きますが、タチフウロは、上向きに咲いているイメージです。 

 

カイフウロ(杓子山)

 

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Geranium shikokianum var.kai-montanum

カイフウロ絶滅危惧種Ⅱ類。山梨県の特産種でイヨフウロ(シコクフウロ)の変種で、花弁が浅く3裂するか、もしくは裂けない個体もあり、特徴的なのは、濃い色のピンクの網目状の模様があります。

他のフウロソウの花弁のラインとは違い、特徴的な文様なのでわかりやすいです。

 

山に登り始めた頃は、この5枚の花弁のピンクのお花は、全部、何とかフウロだったのですが、やっと見分けがついてきた、と言う事なんですけどね。

葉にも特徴があるのですが、花がちゃんと個性を出してくれるので、わかりやすいほうかもしれません。

葉の写真も撮っておけばよかったのにと思いました。

そういえば、フウロソウの葉は、赤く紅葉するのがあります。

どれだったかな〜?

と、いつも、何となく中途半端な感じで終わります。